裁定取引を今後実践される方には貴重な内容でしたのでブログにも記載致します。
(質問)
「発注を済ませ、後は約定を待つだけの段階で、3つの組み合わせのうち2つが約定をして残りの1つが
なかなか約定しないような状況もあるかと思います。その際、有利な価格からずれていくような場合には、
証拠金の関係上、速やかに板にぶつけるなどしてセットを完成させてしまうのでしょうか?」
(回答)
万が一同時に約定できなかった場合リスク管理上そのような対応は賢明です。しかし、シグナルとは異なる価格で発注するとリスクがあります。どのように利益が変化するか事例を基にご説明致します。
10月11日のブログに記載した実際に発生した内容です。
①日経ミニ225(8580)10枚×売 ※板における買い方最良気配値8580
②C9000(34)1枚×買 ※板における売り方最良気配値34
③P9000(465)1枚×売 ※板における買い方最良気配値465
このシグナルに基づいて取引した場合
利益は11,000円※手数料を考慮した場合は8,170円(決済日手数料含む)
①のみシグナルで表示された最良気配値よりも1段階下の価格(8575)で約定
利益は6,000円※手数料を考慮した場合3,170円
②のみシグナルで表示された最良気配値よりも1段階上の価格(35)で約定
利益は10,000円※手数料を考慮した場合7,165円
③のみシグナルで表示された最良気配値よりも1段階下の価格(460)で約定
利益は6,000円※手数料を考慮した場合3,187円
シグナル通りに約定させれば11,000円の利益(手数料込で8,170円)になる
ところが、ぶつける板をずらしただけで利益は大きく変化致します。
シグナルと異なる価格帯で発注する場合は十分ご注意下さい。
最良気配値の板にぶつけて取引が成立する時にシグナルを表示するようにしています。つまり成行き注文で取引が成立する場合にシグナルが表示されます。よって理論上は発注した時点で約定するので約定待ちは発生致しません。尚、成り行き注文をお勧めしている訳ではございません。回線混雑による約定遅延や大口気配値の取り消し等、想定外の事も起こりえるので、発注は日経225オプションの達人で表示されている価格を指値で注文を入れる事をお勧め致します。